Card Wirthシナリオ『エルム司祭の護衛』  〜 解答 〜

作者名  : MNS
対象レベル: 6 〜 7

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                           〜 解説 〜

 ある日冒険者の宿に、ロストック村の高名な聖者、エルム司祭からの依頼が舞い込みます。その内容は、北のケムニッツ村まで司祭を護衛するというものだったのですが・・・・

 エルム司祭は、リューン北東の街フェルデンの、更に北東の山間部にあるロストック村で司祭を務めていますが、その徳の高さや‘死者蘇生’等数々の奇跡を行った事により世界的に高名な聖者です。

 今回の依頼は、司祭をロストックの更に北東に位置するケムニッツ村迄護衛するというものです。ケムニッツは東の国境線近くに位置しており、常に国境紛争に脅かされる荒廃した土地です。司祭はこの村の為に何か力になれないかと常々考えているのですが、近年、高齢による衰弱を強く自覚する様になり、体が自由になるうちに、と遂に今回の行動に踏み切った訳です。

 しかしロストックの村民達は、司祭の高齢に加えてケムニッツの危険な土地柄を考え併せて、司祭の旅立ちを快く思っていません。というのも、まず、高名な司祭は観光・巡礼の呼び水となっており、村の経済は彼一人に依存していると言っても過言では無いという事情が挙げられます。その為彼らとしては、司祭の体を心配するだけでなく、その死後の生活の安定の為に、司祭の聖遺物(注1)の確保についても考え始めているのです(聖遺物さえ確保すれば、それは観光・巡礼の呼び水となり、変わらず村に利益をもたらしてくれる事でしょう)。加えて、既に村には大企業や王侯貴族、又その他の結社や教会関係者までもが、聖遺物入手の交渉の為出入りし始めています。又司祭の弟子達にも何やら思惑がある様です。そんな中での護衛の依頼なのですから、今回は相当な困難が予想されます。

(注1):聖遺物・・・徳の高い聖人の肉体や愛用品には、その死後、強い力が宿ると言われます。その為聖遺物は過剰に崇拝される傾向にあります。そしてこれらを巡って、力を求める組織や、その価値に目をつけた商人達などが闇で争奪戦を繰り広げている訳です。護符や、あるいは強大な魔術を行う為の媒介として使用されるのかもしれません。

そしてこのシナリオでもう一つ重要な要素となって来るのが、冒頭でオヤジに渡される‘聖印’です。これはかつて聖北教会内で異端とされていたノルデ派の信者達が身に付けていた物で、当時は‘背教者の聖印’と呼ばれて忌み嫌われていました。異端とされていた時期には、数多くの信者達が激しい迫害に遭い、異端審問等で命を落としました。しかしそれでも多くの信者達は信仰を捨てなかったといいます。
 実はロストックは嘗てノルデ派信者を匿ったという過去を持ちます(善良な村民達が、異端と知らずに流れ者を保護してしまったのですが…)。そしてそれが御堂騎士団(注2)の知るところとなり、村は異端者を匿ったとして、激しい異端審問に晒される事になったのです。そこで生き延びた村民達は、その惨劇の記憶をその身に刻み付けて現在に至ります。そしてその惨劇の後、村に現れ犠牲者達の魂を鎮めたのがエルム司祭だったのです。
 ノルデ派自体は、その後その名誉を回復され、多くの信者達は意欲的に未開地への布教活動等に従事しました。そして教会の発展に寄与したという事で、その‘聖印’もいつしか‘殉教者の聖印’と呼ばれる様になったのです。しかしロストックの村民達がそんな事情を知る筈も無く、惨劇の記憶はその子供達の世代にも受け継がれています。

村民達は冒険者の持つ‘聖印’を見た時どういう反応を示すのでしょう?


(注2):御堂騎士団・・・主の御墓を守護する聖北教会最強の僧兵騎士団。
     各地で激しい異端審問を執り行い、その犠牲者達の財産を没収して富を蓄えた。


〜このシナリオには後半に幾つかの分岐点があります
(・・・明確な‘True End’は存在しないと考えています。)

それら分岐によって以下のエンディングに帰結します(括弧内は得られる経験点)。

 @廃教会にて御堂騎士団と戦い、司祭を奪還(+1)

 A司祭を伴って村を脱出(+1)

 B司祭の遺体を葬る(+1)

 C司祭の聖遺物を我が物とする(+0)

 D司祭の遺体を企業に売り渡す(+0)

 E村民を殺害して村を脱出(+0)

 F依頼破棄(+0) … 但し宿泊する場所によってイベントは異なります。

 G司祭の身柄を売り渡す(+0)

 H御堂騎士団に敗北(+0)


〇水汲みの場面での分岐

 オヤジから貰った‘聖印’をヘルガに渡すか渡さないか。

〇宿での夕食後

 教会に宿泊するか、宿に宿泊するか。

 宿に宿泊すれば、弟子達の手引きで司祭は御堂騎士団に拉致され、
 翌朝、司祭の奪還戦に・・・

 参加しない場合 ・・・→Fへ
 
 参加する場合は司祭の奪還戦に突入します。
 この際冒険者が‘聖印’を所有していれば、かなり御堂騎士との戦闘が楽になります。→@へ
 
 教会に宿泊すると・・・夜間に冒険者達が教会内の諍いに気付き、且つ聖遺物に思考が及んだ場合、依頼を続行するかどうかの選択肢が提示されます。 ここで依頼を放棄した場合 ・・・→Fへ
 
 依頼を続行した場合、差し当たって御堂騎士が動く事はありませんが、司祭 の弟子達が村民を煽動し、司祭と冒険者達に襲いかかって来ます。ここで戦闘において村民及び弟子達を倒してしまうと・・・→Eへ
 
 ・・・なので村民との戦闘は逃走が基本となります。
 又、攻撃型召喚獣を自ら及び味方に付与する技能も、発動させない様に注意しましょう。

 そして、村中を逃げ回っている所に御堂騎士団も乱入して来ますが、彼らとの戦闘は、二回目以降逃走の成功率が大幅にアップしますので、どんどん逃げましょう(ただし弟子達によって足留めを食らううちに追い着かれた場合はその限りではありません)。

ここで御堂騎士団に追い着かれ、敗北を喫した場合・・・→Hへ

 そして司祭の弟子達との戦闘後、村の出口に至るとゴビノーが現れ、司祭を引き渡す様交渉して来ます。ここで交渉に応じれば・・・→Gへ

 そしていよいよ村から脱出する際に、冒険者達が‘聖印’を所有している場合、司祭は命を落としてしまいます( 所有していない場合 →Aへ )。

 そして・・・

〇峠の上で

 ここで大企業の密偵が登場して、司祭の遺体の引渡しを迫ります(大企業は司祭が命を落とした場合のみ登場します。存命中には監視は怠りませんが、干渉はして来ないのです)。ここで引き渡すかどうかの選択。

 引き渡す →Dへ
 渡さない →戦闘 →終了後、ここで又選択肢。

 司祭の遺体を・・・

 我が物にする →Cへ
 埋葬する →Bへ

〇廃教会前庭

 このエリアでは聖堂内への突入を最優先とします。
 ですから不必要に敵と交戦せずに、こちらの進攻ルート上に立ち塞がる敵のみ倒しましょう(今回の御堂騎士団の強引な行動により、ただでさえ体の弱った司祭の身の安全が懸念されます。それにここでの敵は、雇い主による平素よりの不当な扱いに対して不満を持っており、辺境ロストックにも渋々随行して来た傭兵騎士団なので、最低限の義理を果たせばそれ以上PC達に追撃をかける事も無く、撤退して行きます)。
 ここで傭兵騎士の1部隊に勝利すると手に入る‘ウォーハンマー’は、3つの像の中心にある小さな像を破壊して、道を開く為のアイテムです。
 又、このエリアでは、一度進んでしまうと引き返せませんので御注意を。
迂闊に最奥まで進んでしまうと戻る事も出来ず、敵に取り篭められてゲームオーバーになってしまいます(但しマップをやり直す選択有り)。従って魔法兵を倒しに行ってはいけません。

この様に完全な‘詰め’戦闘となっています。

※中心像の破壊には‘対象消去’‘一撃必殺’キーコードも有効。


〇廃教会内

 各個撃破がおすすめです。各個撃破せずに敵陣( 柱の内側 )に突入すると、残る部隊を一時に引き受けて戦わねばならない場合もありますので、なるべく両サイドの部隊をそれぞれ柱迄おびきよせて撃破してから中央の部隊を叩くといった順で攻略するのが良いと思います( やや面倒ではありますが )。最初に中央の聖騎士の部隊と戦闘してしまいますと、両サイドの御堂騎士の部隊が守りを固めてしまいますので、残る3部隊と一時に戦わねばならなくなるので注意です。
 敵は冒険者との距離がへクス2まで近付くと接近して来ます。しかし本隊守護の為、一定範囲以上突出して来る事はありません。ただ、御堂騎士に関しては遠距離攻撃を仕掛けて来ますので御注意を(へクス1の距離で発動 )。
 又、回復スキルをフル活用する事になろうと思いますが、聖水泉では精神力が回復しますので、アイテムは戦闘時用に残しておきましょう。聖水泉は御堂騎士の遠距離攻撃が届く位置にある為、回復した途端に攻撃されてしまいますが、そのサイドの御堂騎士を倒すと楽に回復出来る様になります。
 又、件の‘モノ’を所有している場合はそれを・・・。

※なお廃教会前、聖堂内共に、PC側からの‘遠距離攻撃’には今のところ対応しておりません。


〇対 弟子+村民

 ここでもやはり敵を倒してはいけません。包囲網を人数分(7人)のスペースを確保して突破すればいいのです。ここで有効なのは‘呪縛’‘麻痺’‘眠り’のキーコードを持ったカードです。ただ、ここで時間をかけ過ぎると、湖の方角より御堂騎士団が追い着いて来てしまいます。彼等との戦闘は困難を極める(対象レベル内だと通常は敗北。更に高レベルの場合、殊によっては膠着状態に陥りかねない)と思われますので、彼等の到着前に突破口を開いておかねばなりません(つまり基本的には、よほど強力なパーティでない限りはゲームオーバーと位置付けていました → EDHになりましたが、基本的に御堂騎士団に追いつかれた時点でにミッションは失敗です)。


〜冒険で得られる報酬

〇エンディング@

 司祭よりの報酬 1000sp
 御堂騎士マルコス及びムーロよりの報酬 1000sp

〇エンディングA

 司祭よりの報酬 1000sp

〇エンディングC

 司祭の聖遺物(5000sp相当)

〇エンディングD

 司祭の遺体の代価 4000sp

〇エンディングE

 司祭よりの報酬 800sp

〇エンディングG

 司祭の身柄の代価 1000〜1600sp(交渉次第)

〇その他のエンディングでは報酬は有りません。



    〜 作者 〜

MNS

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